ご高齢な方の歯科治療について
御無沙汰しております。小森です。
ブログの更新を全くと言っていいほど怠っておりましたが、開業して5年目を迎え徐々に診療体制も整いつつあるので不定期にご報告させていただければと思います。
去年手がけた症例ですが、私の実の祖母です。色々と印象的だったのでご報告させていただきます。
祖母は現在も富山在住で近隣の歯科医院に40年以上かかっていました。
ただ娘(私の母ですが)から見ても、口臭や歯のぐらつき、咀嚼障害を訴えていたとのことですが、90歳にして下の前歯が自然脱落しいよいよ噛めなくなってきたので何とかしてほしいとのことでした。
見た目は元気そうですが、足腰も弱っており、様々な薬を服用しており、ハイリスクな患者さんです。
90歳にして初めて保険内で入れ歯を製作したそうですが、とても入れていられないとのことでした。
治療をするだけでもリスクが伴う患者さんですが、お金はかかってしまうけれど、私が持っている技術を全て使って、最短の期間で結果を出すと説明しました。
治療中の画像です。治療中は全てラバーダム防湿の元行いました。テクニックが必要ですが、誤嚥のリスクがある高齢者にも恩恵があります。祖母は治療中はずっと寝ている程楽で、長時間の治療で腰が痛くなると毎回言っていました。
全顎治療の元、下顎の欠損部には精密に製作された金合金のフレームの部分入れ歯を製作していただきました。手の不自由になってきた祖母でも使いやすいような特殊なノブもつけてあります。
治療前後の比較です。母の付き添いのもと新幹線に乗って通ってもらいましたが、4ヶ月(8回)の治療で終了しました。何より周りの家族が見ても見違えるほど若返り、何でも食べれて楽しそうにおしゃべりしているとのことです。
今回祖母は幸運にも集中治療に耐えらるだけの体力が残されていたため結果を出すことができました。ただし人生何が起こるかは誰にもわかりません。
元気なうちに歯のトラブルを防ぐことで残りの人生を豊かに楽しく過ごすことができることが感じられた症例でした。