欠損補綴について
当院の考え方
充実した毎日のために、確かな噛み心地を取り戻してください
歯が抜けたり、あるいは抜かざるを得なくなって抜歯した場合の治療を欠損補綴と言います。天然歯に勝るものはありませんが、歯科医療の進展により、入れ歯やブリッジ、インプラント、歯牙移植など多様な治療法が開発されてきました。当院では、欠損補綴についても豊富なメニューをそろえ、患者さんの症状やご要望にお応えしています。
院長はお年寄りの歯科治療を多く手がけ、訪問診療や施設での診療についても豊富な経験があります。その中で寝たきりになられたり、長期入院されている患者さんの口腔ケアなども手がけてきました。歯をなくした方に対する豊富な治療経験を生かしながら、ライフステージに合わせた最適な治療をご提供したいと考えています。
当院の特徴
お気持ちに寄り添い、ご希望に沿った治療をご提供します
歯をなくした方は、「もう取り返しがつかない」ととても大きなダメージをお持ちなのではないでしょうか。まずつらい気持ちを心置きなくお話ください。そして、「また固い物も噛めるようになりたい」「金具が見えるのはいや」「若々しく見える口元でいたい」などご希望をお話しください。
なくした歯を取り戻すことはできませんが、快適な噛み心地や充実した食生活を取り戻すことはできます。患者さんのお口の中やライフスタイル、ご希望に沿った治療法を一緒に考えてさせてください。心に寄り添うご提案をさせていただきます。
抜けた歯をそのままにすると、他の歯まで悪くなります
歯が抜けてしまっても「痛くないから」「他の歯で噛めるから」とそのままにされることがあります。しかし、1本でも歯が抜けるとかみ合わせのバランスが崩れ、抜けた歯の隣の歯が倒れ込んだり、他の歯がダメージを受けやすくなります。
また歯が抜けるのは、虫歯や歯周病などにそもそもの原因があるはずです。それをそのままにしておくと、他の歯も同じように抜けてしまうリスクが高まります。歯が抜けたそもそもの原因を見極め、必要な治療を施し、他の歯を守ることも大切です。当院では、お口の中の問題を総合的に見極めた上で、適切な治療法をご提案していきます。
症状や年齢に合わせてさまざまな選択肢をご用意しています
部分入れ歯・入れ歯
- 取り外しができて手入れがしやすい
- しっかりした噛み心地が期待できる
- 高齢になってもケアがしやすい
- 保険診療から自費診療のものまでたくさんの種類がある
インプラント
- 比較的若い人に勧められる
- しっかりとした噛み心地が取り戻せる
- 他の歯を痛めることがない
- 埋入手術が必要
- 骨や歯ぐきの状態などの条件が必要
- メインテナンスが必要→高齢になるとケアが大変
ブリッジ
- 手軽に噛み心地を戻すことができる
- 両隣の歯を削って被せ物を装着するので、両隣の歯を傷めやすい
歯牙移植
- 親知らずを抜いて、移植する
- 天然歯に近い噛み心地が得られる
- 適応する場合が限られる
入れ歯について
当院の考え方
欠損補綴の解決法として入れ歯を専門的に学んできました
院長は、「総入れ歯の治療は歯科医療の根幹的な治療」と考えて研鑽を積んできました。入れ歯は、歯がないゼロの状態からかみ合わせや粘膜との調和などすべてにバランスがとれて理想的なカタチを作り上げていく、いわば歯科治療の一つの集大成であり、そこには、他の歯科治療にも応用できるノウハウが詰まっていると考えているのです。
何よりも食べる喜びを取り戻していただくために
患者さんにとって入れ歯とは、噛む喜び、食べる喜びに繋がるもので、またしっかり食べることで健康を取り戻していただくための治療でもあります。もちろん、自然で美しい口元によって、話すことや歌うこと、お化粧などの楽しみも取り戻すことができます。今まで学んできた知識や治療技術を結集して、人生を充実させ、健康に送っていただけるための入れ歯治療をご提供していきたいと考えています。
当院の特徴
多角的に力のバランスを考え、安定性の高い入れ歯を作ります
入れ歯治療しっかり安定する部分入れ歯には、支持、把持、維持という3つの力が必要です。支持は縦方向の沈み込みに対する抵抗力、把持は横揺れに対する抵抗力、維持は脱離しようとする力への抵抗力です。この3つの力のバランスを総合的に考えてこそ、しっかりとした噛み心地が得られます。
また入れ歯を支える歯の歯ぐきが歯周病であっても入れ歯は安定しませんから、全体の歯のコンディションを考える必要があります。当院の入れ歯は全体のバランスを考えて、しかも健康な歯をうまく使うことで、しっかりとした噛み心地も得られ、長く使っていただけることが特徴です。新しく入れ歯を作りたい方、今までの入れ歯には満足できないという方はぜひご相談ください。
仮の入れ歯でじっくり時間をかけて調整する【ブランチングテクニック】
治療用の入れ歯(仮の入れ歯)を装着していただき、かみ合わせや付け心地を確認し、試行錯誤を繰り返しながら理想の入れ歯を作っていく方法を「ブランチングテクニック」といいます。
仮の入れ歯で試行錯誤することで、付け心地や噛み心地を確認し、微調整を行いながら最終形をめざします。歯科医師と技工士とのきめ細かな連携により、機能的にも審美的にも優れた当院ならではの入れ歯をご提供することができます。
ぴったりフィットする総入れ歯
総入れ歯の場合は、かみ合わせの記録と型取りがより重要になります。型取りは、粘膜の形や筋肉の動きに密接に関わりますので、仮の入れ歯で快適な状態に調整してから型取りを行います。さらにかみ合わせの記録、あごの機能運動の記録をとって調整し、最終的な入れ歯を入れた上でさらにかみ合わせを調整して、理想的なフィット感を実現します。
他の歯も守る部分入れ歯【キャストパーシャルデンチャー】
被せ物と入れ歯が一体化したような部分入れ歯です。部分入れ歯は、残っている歯にクラスプ(金属のバネ)で固定しますが、当院の入れ歯は、バネがかかる天然歯を含めての設計(マウスプレパレーション)を行うため、残っている歯に大きな負担をかけません。全体で力の分散ができますので、特定の部位に力がかからず、入れ歯がしっかりと安定し全体的な調和が長期的に得られます。
ご要望やライフスタイルに合わせてお選びください
保険義歯入れ歯には、部分入れ歯・総入れ歯を含めてさまざまな種類があります。当院では、患者さんの症状やご要望に合わせてさまざまな入れ歯をご用意していますので、気軽にご相談ください。
保険治療の入れ歯もご用意しています
保険制度で作る入れ歯は、材料やデザイン・構造に細かい制約があり、見た目などの審美性や、フィット感、食べ物の温度の伝わりやすさなどの面では自費診療の入れ歯の方が優れています。さまざまな入れ歯を比較しながら、わかりやすくご説明しますので、ご相談ください。
インプラントについて
当院の考え方
精度の高い診断と治療計画を重視しています
インプラントはあごの骨にチタン製の人工の歯根を埋め込み、それを土台にして人工の歯を装着する治療方法です。チタンには骨と結合する性質があり、生体親和性がよいため、体に優しい素材です。他の歯を削らないので負担をかけることなく、見た目の美しさや、天然歯に近い噛み心地が得られる治療法です。
しかし、歯根を埋め込むあごの状態に左右される点や、治療後も定期的にメインテナンスを受け、きちんと管理することができる環境が必要な点など、インプラントはさまざまな条件を検討する必要があります。当院ではていねいなカウンセリングを行い、インプラントとともにブリッジや入れ歯治療などの利点や欠点を比較し、患者さんそれぞれのお口の状態、ご要望やライフスタイル、ご予算などを考慮し、治療をご提案しています。
当院の特徴
理想的なトップダウントリートメント治療を行います
トップダウントリートメント当院のインプラント治療は、トップダウントリートメントの考え方を取り入れています。トップダウントリートメントとは、最終的にどういった形にしたいかをイメージして、そこから逆算して治療していく方法です。
CT撮影による顎骨内部の3Dデータを元に理想的なかみ合わせの状態を作り、精度の高いコンピュータガイドを使用して、インプラントの埋入場所・角度などの治療計画を正確にシミュレーションします。このシステムにより、インプラントを短時間で正確な位置に埋入することができるため、患者さんへの負担の少ない、しかも精度の高い治療を安全に行うことができます。
インプラント治療では何よりも高い安全性を重視しています
インプラント治療インプラント治療については、信頼性と実績の高いメーカーのインプラント体を使用し、また環境整備にも配慮し、万全の感染対策を行っています。CT撮影については、用賀駅前のメディカルセンターにて専門技師との連携で行います。安全性を重視し、安心して受けていただけるインプラント治療を心がけています。
インプラントのメリット/デメリット
メリット
- 見た目も天然の歯に近い
- 歯根を直接あごの骨に植えるため、自分の歯に近い感覚で噛める
- 入れ歯やブリッジに比べて見た目が自然で、発音もしやすい
- ブリッジのように隣の歯を削る必要がない
- バネを使用しないため、他の歯に負担がかからない
- 歯磨きや手入れがしやすく、入れ歯のような口臭がない
デメリット
- 外科手術が必要
インプラントを埋め込むためには外科手術が必要です。さらに通常より精度の高い被せ物や上質の材料が必要となりますので、手術を含めると比較的高額な治療費がかかります。 - 治療期間が長い
治療期間は最短で4か月から半年。インプラントの本数が多い場合や、骨を増やす処理も行う場合などでは1年以上かかることがあります。 - 治療できない場合があります
残念ながら歯ぐきやお口の中の状態や、糖尿病などの全身疾患などインプラントが適応しない場合もあります。
よくあるご質問
インプラントに関する質問~手術に関して
手術は痛いですか?
インプラントの手術では、局部麻酔をかけますので痛みはありません。当院では、最新の技術で痛みの少ない治療を行っております。
インプラント治療は大変ですか?
以前のインプラントをご存知の方は「大変な手術をして入れるもの」というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。しかしここ十数年で素材や形態・埋入方法が改良され、以前よりも簡単に処置できるようになりました。
最近では、素材がよく処置が以前に比べて簡潔になったことから、インプラントの件数も増えてきました。また、長期的に機能することもわかってきました。
しかし一方で、やはりケアの重要性と適応症例の幅が問題となっております。まずは、全身疾患がなく喫煙されていない方が条件となります。喫煙者は予後が悪く、数年しか持たないケースが多く報告されております。
手術時間はどのくらいかかりますか?
1~3本ぐらいであれば、1時間から1時間半ぐらいで終わります。骨を作るといった複雑な手術になると、もう少し時間がかかります。
手術中はずっと口を開けていなくてはなりませんか?
器具の取り替え時など、患者さんがお口を楽にする時間を設けておりますので、どうぞご安心ください。
治療期間はどのくらいですか?
早い方なら2か月程度で正常に噛めるようになります。ただし、患者さんの食いしばりや歯ぎしりなどにより、多少延びる場合もございます。
また、歯周病治療直後のインプラント埋入など、手術のリスクが高かった場合は少し様子を見る必要があるため、さらに数か月かかります。
手術後の入院は必要ですか?
入院は必要ありません。念のため手術後は安静にしていただくように説明しておりますが、デスクワークなどのお仕事は差し支えないでしょう。
インプラントに関する質問~治療後に関して
食べ物で気をつけるものはありますか?
堅い物を噛むと歯が割れることがあるように、あまりにも堅い物は避けた方がよいでしょう。普通に食べられる物であれば問題ないと思います。
インプラントが歯周病になったらどうしますか?
軽度の場合は歯周病の治療を行います。重度の場合は手術が必要です。場合によっては抜くしかできないこともあります。とはいえ、定期検診に通うことで歯周病の予防ができます。
手術後、腫れたりしませんか?
患者さんによっては外科的刺激が大きくなり少し腫れることもありますが、それ自体は手術に対しての当然の反応なので心配はありません。多くの方は3~4日後に腫れがピークとなり、約1週間経てば完全に収まります。
手術後の運動は大丈夫ですか?
できるだけ運動は避けてください。体が温まると血流が盛んになり、痛みが出たり出血したりする原因となります。また体が疲れると抵抗力がなくなり、治りも悪くなります。
手術後の食事は大丈夫ですか?
ほとんどの場合、術後3~4時間ぐらいで麻酔が切れます。しびれが切れれば食事をしても大丈夫です。ただ、できるだけ手術をしていない箇所で食べ物を噛んでください。また、できれば柔らかい物をお召し上がりください。栄養を摂れば抵抗力がつきますので、治癒も早まります。
定期的な検診は必要ですか?
インプラントはチタンのため虫歯にはなりませんが、歯周病にはなります。また歯周病になると非常に進行が早いため、予防するために定期的なクリーニングが必要です。
手術後に注意することはありますか?
手術当日は、激しい運動、入浴(長湯しなければシャワー等は問題ありません)、飲酒も避けてください。また感染を防ぐため、出された薬をきちんと飲んでください。うがい薬は手術翌日から使い、患部を清潔に保ってください。
インプラントはどのくらいもちますか?
患者さんのお口の中の衛生管理に大きく関係してきます。お口の衛生状態が悪いと、インプラントの寿命が短くなる場合もあります。
インプラントの歴史は1950年から始まり、実用化されたのは1965年からです。1965年にインプラントを行った患者さんが亡くなるまでの41年間、問題なく機能していたという実例があります。
つまり40年間耐えられる実績は証明されております。常に衛生状態を良好に保ち、担当医師や衛生士の指導に従っていただくことが大切です。インプラントの10年生存率は95~97%前後です。